厚生労働科学研究:「食品の安全についての普及啓発のためのツールおよびプログラムの開発に関する研究」にて福岡大学医学部公衆衛生学教室と共同で開発した「食品カードゲームの実験的評価」に関する論文(Kamada, Moriyama & Iwai, 2013)が評価され,これに関連したテーマについてハンドブックの一章の執筆を担当しました(Chapter 20, PART V PROMOTING HEALTHY DIETARY HABITS).本ゲームの本質的特性について考察し,そのフレームワーク,ゲームモデル,ゲーム成立条件,発展可能性について詳細に記述しています.
本ゲームは,そのゴールが「内省とその結果であるmap(該当テーマについてその人の考え方を集約したもの)を完成させる」というユニークなものであり,作成されたmapは凝縮されたCommunication Messageであるため,プレーヤ間の深く効果的なCommunicationを誘発することが出来ます.従来のGameやGamificationにおいては”Competition”がその本質的要素であることが殆どですが,本ゲームではこの要素は少なく,むしろ”Communication”がゲームをドライブする要因となっています.従来のGame ModelにこのCommunication要素を加えたモデルを示し,将来のGamificationにおいて”Competition”と”Communication”の融合が重要であることを説いています.また,CommunicationそのものがGame的要素をもっていることも指摘しました.